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Movable Type 6 Advanced ManualMovable Type 6 Advanced マニュアル

Deploy Kit を利用した Microsoft Azure へのインストール

最終更新日: 2020.05.13

Movable Type Advanced 6 は 2022/5/16 で EOL(End of Life)を迎えます。Deploy Kit のサポートについても終了いたします。また、Deploy Kit は Movable Type Advanced 7 ではご利用になれません。

はじめに

本ガイドは、別途配布されている Microsoft Azure 用の Deploy Kit を利用してインストールするための手順書となります。Deploy Kit の入手については、弊社営業担当者までご連絡下さい。

Microsoft Azure 環境で Movable Type Advanced を利用するには、以下のものがあります。

  • クラウド サービス (PaaS) 環境を利用
  • 仮想マシン (IaaS) 環境を利用

PaaS 環境では、OS やウェブサーバーに代表されるミドルウェアは事業者側で運用管理するため、アプリケーション部分にのみフォーカスすることができます。
本資料では、クラウド サービス環境に Movable Type Advanced を導入するための方法を解説します。

本 Deploy Kit は、クラウドサービスにインストールを行うためのリファレンスプログラムとなります。あらかじめご了承の上、システム要件にあわせ、カスタマイズしてお使いください。

導入の大きな流れ

クラウド サービス環境に Movable Type Advanced を導入する手順は、次のように整理できます。

  1. クラウド サービスを利用するための準備をする
  2. Microsoft Azure SDK を利用してインストールパッケージを作成する
  3. 作成したパッケージを、Azure 管理ポータルで展開 (デプロイ) する

クラウド サービスを利用するための準備

(1) Microsoft Azure SDK for .NET のインストール

  1. http://www.windowsazure.com/en-us/downloads/にアクセスします。
  2. [iSDKs]から[.NET]を選択肢ます。
  3. [VS 2012] [VS 2010]の選択肢から、VS 2012 を選択すると、インストールプログラムをダウンロードします。
  4. インストールプログラムを実行します。
  5. [インストール] ボタンをクリックすると、導入対象のソフトウェアの一覧が表示されます。
  6. [同意する] ボタンをクリックすると、導入対象のソフトウェアを順次インストールします。
  7. インストール完了の旨を表示するので、[完了] ボタンをクリックします。
  8. [コントロールパネル]-[システム]-[システムの詳細設定] で、システムのプロパティを表示した後に、[環境変数] ボタンをクリックします。
  9. システム環境変数の中から [Path] を選択し、以下の内容が含まれているか確認します。なお、SDK のバージョンによって、Path 情報が変わります。事前にエクスプローラーで確認してください。

C:\Program Files\Microsoft SDKs\Microsoft Azure\.NET SDK\2012-10;C:\Program Files\Microsoft SDKs\Microsoft Azure\.NET SDK\2012-10\bin

コマンドプロンプトを表示した後に、[cspack] とタイプします。cspack コマンドのヘルプを表示することを確認してください。

(2) SQL データベースの作成

SQL データベースは、Microsoft SQL Server と高い互換性のあるデータベース サービスです。

  1. https://manage.windowsazure.com/ にアクセスします。
    • 管理ポータルにサインインしていない場合、サインイン画面に遷移するので、アカウント情報を入力しサインインします。サインインが成功後に、管理ポータル画面に遷移します。
  2. 左下の [新規] リンクをクリックします。
  3. [データ サービス] を選択します。
  4. 次に [SQL データベース] を選択します。
  5. [カスタム作成] を選択すると、モーダルウィンドウが表示されます。必要な情報を入力します。
    • 名前: データベース名を入力します。
    • エディション: [WEB] を選択します。
    • データベースサイズの制限 (最大サイズ): 1GB (要件に応じて 1GB/5GB のどちらかを選択します。)
    • 丁合い: [Japanese_Unicode_CI_AS] を選択します。
    • サブスクリプション: 利用可能なサブスクリプションを選択します。
    • サーバー: 利用可能なサーバーを選択します。新規に作成する場合は [新しい SQL データベース サーバー] を選択します。
  6. 入力した後に、右下の矢印をクリックします。
  7. 次にデータベース サーバーを設定します。
    • ログイン名: データベース サーバーにアクセスする管理者アカウント名を入力します。
    • パスワード: 管理者アカウントのパスワードを入力します。
    • 地域: [東アジア] を選択します。
    • Microsoft Azure サービスにサーバーへのアクセスを許可します: チェックします。
  8. 入力した後に、右下のチェックをクリックします。
  9. データベースが作成されます。

(3) ストレージの作成

Movable Type Advanced が出力したコンテンツ、プラグイン等で必要となるサポートファイルを管理するために、ストレージ サービスを利用します。
Movable Type Advanced では、定期的 (初期値は 5 分) に ストレージ サービス と同期をとるため、ストレージ サービスを経由して複数のウェブ サーバーに Movable Type Advanced が出力したコンテンツを配置することができます。

  1. https://manage.windowsazure.com/ にアクセスします。
  2. 左下の [新規] リンクをクリックします。
  3. [データ サービス] を選択します。
  4. 次に [ストレージ] を選択します。
  5. [簡易作成] を選択し、必要な情報を入力します。
    • URL: ストレージの URL を入力します。
    • 地域/アフィニティ・グループ: [東アジア] または任意のグループを選択します。
    • サブスクリプション: 利用可能なサブスクリプションを選択します。
    • ジオレプリケーションの有効化: チェックします。
  6. 入力した後に、[ストレージアカウントの作成] をクリックします。

(4) FileSystemDurabilityPlugin のインストール

FileSystemDurabilityPlugin は、Movable Type Advanced が出力したコンテンツ、プラグイン等で必要となるサポートファイルとストレージ サービスの間で同期するためのソフトウェアです。
初期値では、5 分間隔で同期します。

Microsoft Azure SDK for .NET をインストールしたフォルダを AZURE_SDK_HOME とします。
FileSystemDurabilityPlugin フォルダを、AZURE_SDK_HOME\bin\plugins フォルダにコピーします。

インストールパッケージの作成

クラウド サービス環境に、Movable Type Advanced に導入するには、FTP や SSH 等でファイルをアップロードするのではなく、インストールパッケージを作成した後にデプロイのリクエストをするという方法となります。

(5) パッケージの作成

MTCloud-Azure フォルダを適当な場所にコピーします。
MTA パッケージ (zip 形式) を解凍し、内容を MTCloud-Azure\MovableTypeOnAzure\mt フォルダにコピーします。
必要なサードパーティ addons、pluginsを MTCloud-Azure\MovableTypeOnAzure\mt 配下に展開します。

注:mt フォルダ内に Cloud.pack がありますが、削除しないでください。

  1. 管理ポータルにアクセスします。
  2. メニューから [ストレージ] を選択します。
  3. 先ほど作成したストレージを一覧から選択し、[キーの管理] をクリックします。
  4. [アクセス キーの管理] 画面で、[ストレージ アカウント名] と [プライマリアクセス キー] の値を記録しておきます。
    • ストレージ アカウント名: mttestbench01
    • プライマリアクセス キー: U6l7cqdYqw1NksL6xxTeJhPlqbFtO4S3e3/G1knT+ITeyfMWSDmKkgt28lNBXmJ85BBoIe+xIqIUWbJNI1iBKw==
    • メニューから [SQL データベース] を選択します。
    • 先ほど作成したデータベースを一覧から選択します。
    • データベースの情報から、[データベース サーバー名] を記録しておきます。
  5. MTCloud-Azure\ServiceConfiguration.cscfg を編集します。

Perl.Modules.Install と Perl.Modules.Update は、ActivePerl の ppm コマンドでインストールする Perl モジュールをカンマ区切りで指定します。特定のプラグインで Perl モジュールをインストールしたり、更新する必要がある場合は、このセクションに追記してください。

Microsoft.WindowsAzure.Plugins.Diagnostics.ConnectionString => DefaultEndpointsProtocol=http;AccountName=<ストレージ アカウント名>;AccountKey=<プライマリアクセス キー>
DataConnectionString => DefaultEndpointsProtocol=http;AccountName=<ストレージ アカウント名>;AccountKey=<プライマリアクセス キー>

  • MovableType.Database => データベース名
  • MovableType.DBHost => データベース サーバー名 (FQDN)
  • MovableType.DBUser => "管理者アカウント名"@"データベース サーバー名 (ホスト名)"
  • MovableType.DBPassword => "管理者アカウントのパスワード"
  • MovableType.ODBCDriver => "SQL Server Native Client 11.0"
  • MovableType.SiteURL => "http://xxxx.cloudapp.net (クラウド サービスのサーバー名)"
  • MovableType.DefaultLanguage => "ja"
  • Perl.Modules.Install => "Authen::SASL,Net::SMTP::SSL,Net::SMTP::TLS,Crypt::SSLeay,Crypt::DSA,XML::LibXML,MIME::EncWords"
  • Perl.Modules.Update => ""
  • FileSystemDurabilityPlugin.StorageAccountName => <ストレージ アカウント名>
  • FileSystemDurabilityPlugin.StorageAccountPrimaryKey => <プライマリアクセス キー>
  • FileSystemDurabilityPlugin.SyncContainerNam => webdata
  • FileSystemDurabilityPlugin.LocalFolderToSync => "c:\webdata"
  • FileSystemDurabilityPlugin.FileNameIncludesToSync => 空のまま
  • FileSystemDurabilityPlugin.ExcludePathsFromSync => "mt,mt-static"
  • FileSystemDurabilityPlugin.ExcludeSubDirectories => "false"
  • FileSystemDurabilityPlugin.SyncFrequencyInSeconds => 同期間隔(秒数)

コマンドプロンプトを起動した後に、MTCloud-Azure フォルダの場所へ移動します。
以下の例のように cspack コマンドを実行します。
cspack ServiceDefinition.csdef /out:Build\<パッケージ名>.cspkg
パッケージが作成できたら、コマンドプロンプトを終了します。

パッケージのデプロイ

作成したインストールパッケージを、Azure 管理ポータルを経由してデプロイします。

(6) パッケージのデプロイ

管理ポータルにアクセスした後に、左下の [新規] リンクをクリックします。

  1. [コンピューティング]-[クラウド サービス] を選択します。
  2. 次に [カスタム作成] を選択します。
  3. モーダルウィンドウが表示されるので、必要な情報を入力します。
    • URL: ServiceConfiguration.cscfg に指定した URL を入力します。
    • 地域: [東アジア] を選択します。
    • サブスクリプション: 利用可能なサブスクリプションを選択します。
    • 今すぐクラウド サービス パッケージを展開します: チェックします。
  4. 次に、発行に関する情報を入力します。
    • デプロイ名: ユニークな名称を入力します。
    • パッケージ: 作成したパッケージファイルを指定します。
    • 構成: 編集した ServiceConfiguration.cscfg を指定します。
    • 環境: [運用] を選択します。
    • 1 つ以上のロールに単一のインスタンスが含まれている場合でも展開します: チェックします。
    • 展開の開始: チェックします。
    • 今すぐ証明書を追加: リモートデスクトップを許可する場合のみチェックします。
  5. [証明書の追加] 画面に遷移します。証明書とパスワードを指定した後に、[証明書のアタッチ] ボタンをクリックします。

最後に [完了] リンクをクリックします。

付録

付録 (1): Azure Storage Explorer を利用

パッケージのアップロードには時間がかかります。ストレージに事前にパッケージをアップロードしておくことで、デプロイにかかる時間を短縮できます。

  1. http://azurestorageexplorer.codeplex.com/ にアクセスし、パッケージをダウンロード、インストールします。
  2. Azure Storage Explorer を起動します。
  3. [Add Account] をクリックします。
  4. 作成したストレージのアカウント名とプライマリアクセス キーを入力します。

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