既存のデータベースを残す方式のアップグレード
ここでは、Movable Type のアプリケーションデータやデータベースを上書きすることでのアップグレードではなく、新しく Movable Type 5 用の環境を作り、そこへバージョンの古い既存環境のデータを複製する方法の例を記述しています。この方法を使うと、現在のデータをそのまま維持しながら、安全にアップグレードすることができます。
- 「既存環境のバックアップ」
- 「新しい環境の作成」
- 「データベースの複製」
- 「新しい環境でアップグレード実行」
- 「プラグインなどの複製」
- 「アップグレード後に必要な作業」
この方法では、既存のデータベースをそのまま残しておき、新しく Movable Type 5 用のデータベースを作成しますので、お使いの環境で、MySQL に複数のデータベースを作成できるかを確認してください。
作業が終了した後、既存環境の Movable Type を動作しないようにしておきます。既存環境と新しい環境の両方が、同じブログディレクトリへ公開するように設定されているため、公開されているファイルを壊す惧れがあります。どうしても既存環境を削除することが不安な場合は、既存環境の Movable Type のアプリケーションディレクトリ内のスクリプト (拡張子が cgi のファイル) の権限を、444 などに設定して、アクセスしても動作しないようにしておきましょう。
既存環境のバックアップ
この方法でのアップグレードは、既存環境のデータベースへ上書きすることはありませんが、最終的には新しいバージョンの Movable Type の再構築によって既存のブログディレクトリが上書きされますし、誤操作などにより、大切なデータを破損してしまうことがあるかもしれません。
作業前には必ずバックアップを行うようにしてください。
ディレクトリのバックアップ
FTP プログラムを利用し、次のディレクトリの内容をローカル PC にコピーします。コピーした内容は、圧縮ツール等で圧縮したり、必要に応じて CD-R などに書き出しておくと便利です。
- アプリケーションディレクトリ
- スタティックディレクトリ
- ブログディレクトリ
各ディレクトリの詳細は『新規インストールの事前準備』を参照してください。
データベースのバックアップ
MySQL を利用している場合、ホスティングサーバーの事業者が提供するバックアップの方法、もしくはシェルを利用してバックアップを作成します。データベースのバックアップは『MySQL のバックアップ 』を参照してください。
新しい環境の作成
新しいバージョンの Movable Type をインストールするための環境を作成します。このとき、既存の環境へ上書きしてしまうことがないように、十分気をつけてください。
項目 | 既存環境 | 新しい環境 |
---|---|---|
アプリケーションディレクトリ (パス) | /home/sixapart/cgi-bin/mt | /home/sixapart/cgi-bin/mt5 |
アプリケーションディレクトリ (URL) | http://www.sixapart.com/cgi-bin/mt/ | http://www.sixapart.com/cgi-bin/mt5 |
スタティックディレクトリ (パス) | /home/sixapart/www/mt-static | /home/sixapart/www/mt-static5 |
スタティックディレクトリ (URL) | http://www.sixapart.com/mt-static | http://www.sixapart.com/mt-static5 |
新しい Movable Type のインストール
『必要インストール環境 (ウェブサーバー, DB) と、ブラウザ動作環境 』、『サーバーのシステム情報の確認』、『新規インストールの事前準備』、『Movable Type の設置 (Linux, BSD, Mac OS X)』など参照しながら、新規インストールと同様の手順で新しいバージョンの Movable Type を設置してください。
データベースの複製
新しいバージョンの Movable Type 用に、新しいデータベースを作成して、既存のデータベースを複製します。
項目 | 既存環境 | 新しい環境 |
---|---|---|
データベース名 | mt | mt5 |
新しいデータベースの作成
『MySQLの設定』を参考に、新しいデータベースを作成してください。
既存のデータベースをエクスポート
『MySQL のバックアップ 』を参考に、既存のデータベースからデータをエクスポートしてください。
新しいデータベースにインポート
『MySQL のリストア』を参考に、既存のデータベースからエクスポートしたデータをインポートしてください。
新しい環境でアップグレード実行
ここまでの作業で、新しい環境は、既存のデータベース (複製) +新しいバージョンの Movable Type アプリケーションファイル、という組み合わせになりました。上書きでのアップグレード手順で、既存環境へ新しい Movable Type をアップロードした状態とほぼ同じです。
次に、データベースを新しいバージョンの Movable Type に対応させるために、アップグレードウィザードを実行します。ブラウザから新しい環境のアプリケーションディレクトリにアクセスして、[アップグレード] ボタンをクリックします。[ログイン] 画面が表示されたら "ユーザー名" と "パスワード" を入力して [サインイン] ボタンをクリックすると、自動的にアップグレードウィザードが開始されますので、正常に終了したことを確認してください。
アップグレードウィザードについては、『アップグレードウィザード』を参照してください。
プラグインなどの複製
必要に応じて、既存環境から新しい Movable Type の環境へ、プラグインやテーマなどを複製してください。詳しくは、以下のドキュメントを参照してください。
アップグレード後に必要な作業
5.13、5.07、4.38 移行のバージョンにアップグレードした場合には、次に以下の作業をおこなってください。