Movable Type 5.x の変更点、注意事項、および既知の問題
最終更新日: 2017.10.06
インストールの注意点
- インストールするために必要な環境を変更しました。詳しくはこちらのページを参照ください(必要インストール環境(ウェブサーバー, DB)と、ブラウザ動作環境)
- MySQL 5.0以上のみをサポートします。加えて、Movable Type Advanced は、Oracle Database 11gとMicrosoft SQL Server 2008をサポートします。SQLiteとPostgreSQLはサポートされません。
- Perl 5.8.1 以上のみをサポートします。
- ダイナミックパブリッシングを利用するには、PHP5.xが必要です。
- 文字コードは UTF-8 のみをサポートします。
- Windows環境にインストールするときには、tar.gz形式ではなく、zip形式のMovable Typeを解凍してインストールしてください。
アップグレードの注意点
以前のバージョンのMovable Typeからアップグレードするときには、以下の点に注意してください。
- アップグレード時に、作成済みのブログのサイトURLを識別して、自動的に必要なウェブサイトを作成します。詳しくはこちらのドキュメントを参照してください。『アップグレード時のウェブサイト自動作成』
- 以前のバージョンのMovable Typeを上書きするのではなく、新しいディレクトリにMovable Typeをアップロードしてください。
- グローバルテンプレートの一部が変更されています。アップグレード後にグローバルテンプレートを初期化してください。
- データベースがMySQL 5.x で、UTF-8を利用している場合は、mt-config.cgiに"SQLSetNames 0"を指定してください。
- mt-config.cgi で DefaultLanguage の記述がない場合は、"DefaultLanguage ja" を追記してください。mt-config.cgi に直接追記するか、mt-wizard.cgi を再度実行して、新しくmt-config.cgi を作成します。
- Movable Type 3.x からのアップグレードで、mt-staticをアプリケーションディレクトリと別のディレクトリに設定している場合は、mt-config.cgiに "StaticWebPath" と "StaticFilePath" をインストール環境にあわせて追記してください。
- ダイナミックパブリッシングを利用していて、Movable Type 5 を旧バージョンと異なるディレクトリに配置してバージョンアップした場合は、以下の手順を実行してください。
- .htaccess と mtview.php ファイルをブログから削除します。
- ブログ テンプレートの管理画面から、[公開プロファイルを設定]でダイナミックパブリッシングを有効にします。
- 新しい .htaccess と mtview.php ファイルが作成されます。
- Movable Type 4.1x から Movable Type 5 にアップグレードした場合、ブログ記事とウェブページの表示オプションで、カスタムフィールドの表示順が正しく保持されません。
既知の問題点
以下の項目は、現状では制限事項です。将来のバージョンで修正を検討します。
- 106123 ウェブサイトとブログでバックアップと復元をした場合、SingleCommunityモードが標準で有効なため、外部認証を受けたユーザーはバックアップと復元の対象になりません。
- 以下の場合は、更新履歴に保存されません。103600
- "ファイルへリンク" したテンプレートを編集した場合。
- XML-RPCやATOM API経由でブログ記事、ウェブページを投稿した場合。
- コミュニティーブログや掲示板で、mt-cp.cgiからブログ記事を投稿した場合。
- ブログを複製するときに、複製設定でカスタムフィールドを正しく除外できない。 103647
- mt-search.cgi で、"not"で始まる単語(例: notebook)で検索すると、検索結果が正しく表示されない。 103971
- 環境変数(Configuration Directive)の DefaultEntryPrefs が動作しません。 102900
- mt:Textile タグをダイナミックパブリッシングで利用するとエラーになります。 100985
- mt:MarkdownOptions タグをダイナミックパブリッシングで利用するとエラーになります。 100980
- アイテムのカスタムフィールドを投稿するときの"アイテムの挿入"画面で、Movable Type 4.xではオーディオ、ビデオ、画像をふくむすべてのアイテムが表示されますが、Movable Type 5.0ではオーディオ、ビデオ、画像は表示されず、その他のアイテムだけが表示されます。ただし、オーディオ、ビデオ、画像をアップロードすることは可能です。 102991
- WordPressのエクスポートデータをインポートするときに、文字化けする場合がある。 102793
Movable Type Advanced の既知の問題
- Microsoft SQL Server をUTF-8 で利用している場合に、ダイナミックパブリッシングが正しく動作しません。
- Microsoft SQL Server をShift-JIS で利用している場合に、特定の日本語名のファイルをアップロードできません。
- DBD::Oracle のバージョンが 1.23 の場合に、Movable Type Advanced を正しくインストールできません。バージョン 1.22 を利用してください。
- Oracle を利用している場合に、大文字/小文字せずに検索することができません。
- バックアップ対象で"すべて"を選択して、同じMovable Typeに復元した場合に、同じ名前のグループを新しく作成して権限を付与します。現状ではこの挙動は仕様となり、結果として重複したグループ名が登録されます。
- mt-check.cgi および mt-wizard.cgi で、Authen::SASL モジュールを Optional Modules に追加しました。
仕様を変更、削除された機能
ユーザー権限に関する変更点
- 標準のロール『ウェブサイト管理者』が持つ権限の内容を変更しました。このロールは『ウェブサイトと所属ブログの管理』の権限を持ちます。これに伴い、バージョンアップ時に、既存の『ウェブサイト管理者』は『ウェブサイト管理者(MT4)』に表記変更されます。また、ウェブページの管理だけを行うロールとして、『ウェブマスター』を追加しました。このロールではファイルのアップロードも可能です。
- 標準のロール『デザイナー』の権限の内容を変更しました。このロールは『テーマの管理』の権限を持ちます。これに伴い、バージョンアップ時に既存の『デザイナー』は『デザイナー(MT4)』に表記変更されます。
- 新しく『ウェブサイトと所属ブログの管理』権限を追加しました。この権限を持っていると、ウェブサイトと、そのウェブサイト配下に新たに作成するブログの管理権限が与えられます。また『ウェブサイトの管理』権限では、所属ブログの管理権限は与えられず、ウェブサイトのみを管理することができます。
- 新しく『テーマの管理』権限を追加しました。
- 一部の権限の名称を変更しました。ブログの管理(MT 4.x ではブログ管理者)、設定の変更(MT 4.xではブログの設定)、サイトを再構築(MT4.xではブログを再構築)。
- 『新しいユーザーの初期設定』で個人用のブログを作成する際に、MT 4.xでは『複製するブログ』を選択していましたが、MT5では『適用するテーマ』を選択します
- ブログを作成するためには、システム権限で『ブログの作成』権限を付与し、同時に、個別のウェブサイトで『ウェブサイトの管理』の権限を付与する必要があります。(ブログは必ずウェブサイトの配下に作成するため。)
カスタムフィールドに関する変更点
- Movable Type 5では、カスタムフィールドの説明欄に入力した内容はサニタイズされなくなりました。
これにより、説明欄に<script>タグを書いて保存すると、これまでとは異なり、タグがそのまま保存されます。管理画面上でこのスクリプトが実行されることはありませんが、<MTCustomFieldDescription>タグなどを利用してこの内容を出力するときは、encode_html="1"などのモディファイアを使わないと、公開されているページ上でスクリプトが実行されます。 - アイテムにカスタムフィールドを追加する場合、アイテムの種類に応じて、『画像』『ビデオ』『オーディオ』をシステムオブジェクトとして選択し、それ以外の種類のアイテムに追加する場合は『アイテム』をシステムオブジェクトとして指定します。
- カスタムフィールドで『日付と時刻』をブログ側で表示した場合(コメントを拡張した場合など)、ブログ側に必要なJavaScriptライブラリが読み込まれないため、管理画面で表示されるような入力インターフェースは表示されません。
- インポート、エクスポートの際に、システムレベルのカスタムフィールドは含まれません。
- カスタムフィールドに数字の"0"を入力したときに、テンプレートタグで"0"を出力できません。 <mt:If tag="カスタムフィールドのタグ" eq="0"> <mt:カスタムフィールドのタグ></mt:If>などで明示的に評価して出力する必要があります。
廃止された環境変数(Configuration Directive)
- GooglePingURL、 BlogsPingURL および TechnoratiPingURL を廃止しました。
- LaunchBackgroundTasks を廃止しました。
- DefaultSiteURL および DefaultSiteRoot を廃止しました。
- DefaultListPrefs の Button プロパティを廃止しました。
その他の変更点
- ダイナミックパブリッシングでは、MT:AssetでTiff形式およびBMP形式をサポートしていません
- ブログ記事およびウェブページの投稿画面で投稿欄のリサイズ機能を削除しました。
- プロフィールの編集など、管理画面の一部のページにおいて、IE6かつブラウザの横幅が狭い場合、サブメニューがカラム落ちすることがあります。
- ウェブサイトやブログを作成したときに、サンプルのウェブページを作らないようにしました。
- Motion と Action Stream の、テンプレートおよびプラグインは、Movable Type 5 には含まないことにしました。今後これらのプラグインをMT 5.x向けに提供するかどうか、引き続き検討していきます。
- 90日以上ログインが無いユーザーを非アクティブにする処理と、"システム情報"でのアクティブユーザー数の表示を削除しました。
- mt:Ifタグの、testモディファイア内で大文字の変数名を記述したときに、不適切なエラーメッセージを表示しないように修正しました。ただし、 Movable Typeのテンプレートエンジンは、内部的に変数名をすべて小文字で処理するため、大文字の変数名を使用することができません。testモディファイアに変数を使用する場合は、小文字で記述してください。
- FastCGI環境では、外部モジュール(XMLRPC::Transport::HTTP)がFastCGIに対応していないため、XML-RPCを利用できません。
- テンプレート編集エディタをCodeMirrorに変更したため、より多くのブラウザで安定した動作をするようになりました。そのため、シンタックスハイライト(強調表示)の有効無効を切り替える機能は削除しました
- MTEntriesなどのBlogIDが変化するタグの内部で、MTIncludeを利用する場合は、blog_idモディファイアで適切なBlogIDを指定してください。
- Movable Type 4.xからバージョンアップをしたときに作成されるウェブサイトに、環境変数"DefaultWebsiteTheme"に指定されたテーマ(指定されていない場合は、"クラシックウェブサイト"テーマ)を適用するようにしました。
- テーマの設定ファイル(YAML)に直接記述することで、テーマにウェブページを含めることができますが(プロフェッショナルテーマを参照)、ブログ記事を含めることはできません。
- MTIncludeBlock 内でテンプレートタグを記述することができますが、インクルードするテンプレート内で実際に変数が利用されるまで、テンプレートタグの値は評価されません。
- MTのアプリケーションディレクトリのindex.htmlで、言語を選択してログインした場合、ユーザー設定の仕様言語ではなく、index.htmlで指定した言語で管理画面が表示されます。ユーザー設定を反映したい場合は、一度サインアウトし、index.html からではなく、直接mt.cgiからサイインインしてください。
- ウェブサイトおよびブログを作成したときの"使用言語"と異なる言語に、投稿設定の"日付の言語"を変更した場合、テンプレートを初期化すると、日付の言語によってテンプレートが初期化されます。
- ブログURLとCGIPathのドメイン名が異なるときに、Internet Explorer でコメント投稿サインインするためには、[インターネット オプション] の [プライバシー] [詳細設定]の、"自動 Cookie 処理を上書きする"を有効にしてください。
プラグインに関する注意点
- Transformerプラグインなど、管理画面のテンプレートを書き換えるプラグインは、Movable Type 5 で管理画面が変更されたことにより、正しく動作しない場合があります。新しい管理画面にあわせたプラグインの修正が必要です。
- メニュー項目の追加方法は変更されていませんが、メニューの並び方が変更されたため、修正が必要な場合があります。
- プラグインのYAML書式のチェックを厳しくしました。Movable Type 5 ではYAML::Syckを標準で使用します。利用したいプラグインで、YAMLエラーが出た場合は、以下の行を mt-config.cgi に追記することで、Movable Type 4.xと同じYAML::Tiny を利用するように設定することができます。
YAMLModule YAML::Tiny - Movable Type 5 の内部処理は、PublishCharsetによらず必ずUTF-8でおこなわれます。外部のサイトからフィードを取得するプラグインなどは、UTF-8へのエンコード、デコード処理が必要になります。
- Movable Type に同梱して配布しているCPANモジュールのバージョンを上げました。
- PHPのバージョンがPHP5になりました。PHP4はサポートされません。
- PHPのデータベースアクセサを、ezSQLからActiveRecordに変更しました。PHPでデータベースにアクセスするときには、Movable Type のAPIを利用するか、ActiveRecordに準じる必要があります。
- ".pl"形式のプラグイン記述方法も引き続きサポートされますが、新しいYAML書式を推奨します。
制限事項
以下の項目は修正を予定していません。
- FastCGI環境では、バックアップと復元が正しく動作しません。通常のCGI環境でバックアップと復元をおこなってください。
- FastCGI環境では、アップグレード(mt-upgrade.cgi)が正しく動作しません。通常のCGI環境でアップグレードしてください。
- Memcached と FastCGI を利用しているときに、登録/認証設定の変更が、認証画面に反映されない場合がある。
- 管理画面でSSLで利用したときに、Internet Explorer 6 を利用していると、一部の画面でセキュリティー警告が表示されます。
- Feeds.App Liteで外部のフィードを取得するときに、文字化けすることがあります。
- ブログ記事の投稿者を削除したあとに、ブログ記事をバックアップした場合、削除した投稿者のブログ記事を正しく復元できません。投稿者を削除する前にバックアップするか、投稿者を削除せず無効に設定してください。
- ブログ記事とウェブページの、タイトルと本文に数字の"0"を入力して保存しても、値は保存されません。
- Movable Typeで利用するCPANモジュール(DBIやDBD::mysqlなど)のバージョンが古い環境で、管理画面を表示する際に"Statement has no result columns to bind"のエラーが表示される場合があります。このエラーが表示された場合は、該当のCPANモジュールをバージョンアップしてください。
- 特定のバージョンの Internet Explorer 6 で、テンプレート編集画面でコピー&ペーストをした時にカーソルが正しく動かない場合があります。
- アーカイブページのページ送り機能は、新規に作成したアーカイブテンプレートでは利用できません。
- データベースにSQLiteを利用している場合に、カスタムフィールドのタグに大文字を使うと、正しく内容が表示されません。例えば mt:EntryMyData というカスタムフィールドを作成した場合は、mt:entrymydata のようにすべて小文字で記述すると、内容を表示できます。