Movable Type Enterprise ソリューションでのユーザーの管理
Movable Type Enterprise では、通常の Movable Type には無い、高度なユーザー管理のための機能が用意されています。Movable Type の基本的なユーザー管理の仕組みについては、Movable Type のドキュメントを参照してください。
通常モードと LDAP モード
通常モードとは、ユーザー管理、およびパスワードを使ったログイン時のユーザー認証を、 Movable Type Enterprise が行うモードです。LDAP モードは、LDAP に対応したディレクトリ・サービスを使ってユーザー管理をしている場合に利用できる、ユーザー / グループをディレクトリ・サービス側で元管理し、かつ認証にディレクトリ・システムを使うモードです。モードの切り替えは構成ファイル mt-config.cgi で行います。
通常モード
通常モードでユーザー管理・ユーザー認証を用いる場合は、全てのユーザー情報を Movable Type Enterprise 上に格納する必要があります。ユーザー情報の編集においては、通常の画面からの編集に加えて一括してユーザー情報の登録・変更が可能なモードがあります。詳細は「ユーザー管理(一括編集モード)」をいご覧ください。
LDAP モード (ユーザー管理・ユーザー認証の連携)
Movable Type Enterprise では、LDAP に対応したディレクトリ・サービスと連携して、ユーザー管理・ユーザー認証を行う事ができます。この連携によって、システム管理者はユーザー管理をディテクトリ・サービスに一元化し、運用負荷を削減することができます。LDAP モードを選択した場合、デフォルトではユーザー管理・ユーザー認証の双方を連携させる設定になります。
LDAP に登録されているユーザーは、誰でも Movable Type にログインすることが可能です。ログインする際に、Movable Type のユーザー情報は、LDAP のユーザー情報と同期されます。同期の際、もし Movable Type 側にユーザー情報が無かった場合は、自動的に LDAP 側の情報から Movable Type にユーザー情報が作成されます。
作成された Movable Type のユーザーが所属するグループの、アクセス権限を設定しておくことで、管理者はユーザーのブログに関する権限を管理することができます。
このモードでは、全てのユーザー情報、グループ情報はディレクトリ・サービス側で管理されます。 Movable Type Enterprise の管理機能はディレクトリ・サービス側の情報との不整合を防ぐために、使用できなくなります。もし、Movable Type Enterprise の管理機能を利用したい場合は、ディレクトリ・サービスをユーザー認証のみに用いるように設定にすることも可能です。
LDAP モード (ユーザー認証のみの連携)
Movable Type にログインする時に、ユーザー名とパスワードの認証を LDAP にたいしておこないます。ただし、Movable Type のユーザー情報と、LDAP のユーザー情報は同期されないので、Movable Type には、あらかじめ手動でユーザー情報を登録しておく必要があります。その際に、LDAP のユーザー名とパスワードと同じ情報で登録します。Movable Type に登録されたユーザー名とパスワードが、LDAP で管理されているものと異なる場合は、そのユーザーは Movable Type にログインすることができません。
通常モードと LDAP モードの違い
以下が、LDAP モード (ディレクトリ・サービスと連携した際) における通常モードとの主な違いになります。
- ディレクトリ・サービス内で、作成されたユーザー情報、グループ情報は自動的に Movable Type Enterprise 側に追加されます。
- ユーザー情報、グループ情報は Movable Type Enterprise 側で削除可能ですが、ディレクトリ・サービス側から削除されずに残っている場合は、次回の同期時に自動的に再生成されます。
- ディレクトリ・サービス内で削除されたユーザー情報、グループ情報は自動的に Movable Type Enterprise 側で無効化されます。 ユーザー認証のみを連携させている場合は、自動的に無効化はされませんが、ログイン時にエラーとなります (ディレクトリ・サービス側にユーザー情報が存在しないため)。
- ユーザー名、グループ名はディレクトリ・サービス側でのみ修正され、Movable Type Enterprise に同期されます。
- ユーザーの表示名、メールアドレスは、初回の同期時のみ、ディレクトリ・サービス側の情報から Movable Type Enterprise に同期されます。この情報は、一度同期された後は、Movable Type Enterprise のシステム管理者によって修正可能です。
- 通常モードで利用可能なパスワードリカバリ機能は、利用できなくなります。
LDAP モードでの同期
LDAP モードでユーザー管理を連携させる場合は、ディレクトリ・サービスと Movable Type Enterprise 間で情報の同期をとることが必要です。
同期の方法
ディレクトリ・サービスと Movable Type Enterprise のユーザー情報の同期方法は3種類あります。
手動による同期
Movable Type と、LDAP ディレクトリを手動で同期するには以下の手順を実行します。
- Movable Type にログイン
- [操作メニュー] の [一覧] から [ユーザー] あるいは [グループ] を選択します。
- ユーザーあるいはグループの一覧ページの、リストの右側にある『同期』メニューをクリックすると、同期プロセスが開始されます
[同期] メニューが表示されない場合は、ExternalGroupManagement や ExternalUserManagement などの環境変数が正しく設定されていることを確認してください。
スケジューラによる定期的な同期
スケジュール・タスクを利用可能なように設定しておくと、定期的に情報が同期されるようになります。mt-config.cgi に以下の項目を追加することで、定期的なタスクをバックグランドで実行します。
LaunchBackgroundTasks 1
また、同期の頻度については環境変数の ExternalUserSyncFrequency で設定を行います。環境変数リファレンスをご覧ください。
ExternalUserSyncFrequency 60
スケジューラーによる定期的な同期を行うための設定については、Movable Type の ドキュメントを参照ください。
ログイン時に同期される情報
また、各ユーザーがログインした際に、ログインしたユーザーに関連する情報の同期が行われます。以下が同期される情報になります。
- ユーザーのステータス
-
ユーザー削除等のステータスの同期が行われます。ディレクトリ・サービス側で削除されたユーザーはログインできなくなります。
- ユーザーが所属するグループ
-
ログインするユーザーが所属するグループに関する情報の同期が行われます。
ログ・フィードが読み込まれるタイミングでの同期
ログ・フィードに対するアクセスが発生した時にユーザー情報の同期が行われます。例えば、フィード・リーダーにログ・フィードを登録した場合、フィード・リーダーがログ・フィードにアクセスするたびに同期が行われます。
ログ・フィードが読み込まれるタイミング同期を行うための設定については、Movable Type の ドキュメントを参照ください。