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デザイナーが参加しやすいハッカソンについて考えてみた

Hacking Movable Type

アイデアと動くものとの間

6月28日に Data API で Chrome 拡張機能やアプリを作るハッカソンが開催されました。私もその日は現地で見学していましたが、優秀な開発者たちが、1日でアイデアを動作する状態まで作り上げていく光景に感銘されました。開発者であれば「そんなことできて当たり前」と思うかもしれませんが、1日という短い時間で、人が触って動かせる状態にすることは開発者にある『特権』のように思えます。

与えられた素材をあれこれ突きながら、何かを作り上げるハッカソン。開発スキルを磨くにも良いイベントですが、これと似たようなものをデザインという領域で行うのは非常に難しいと感じることがあります。

アイデアソンであれば開発者以外が集まりますし、もっとストレートにデザインソンという名のイベントも開催されています。素晴らしいアイデアソン/デザインソンがいくつも開催されているものの、開発者が参加しているハッカソンとは少し異なると思います。特に Movable Type のような動く製品を基にしたイベントだと、以下のような課題があります。

動く状態にするのがむずかしい
アイデアからスケッチすることはデザイナーでもできるはずです。ただ、それが実装可能かどうかは別の問題です。現実味のない奇抜なアイデアになっている可能性もあります。動かす状態にするには、開発者のもつ知識や技術が不可欠になることがあります。
見た目コンテストになりやすい
短期間でアウトプットすることで腕を磨く、という意味ではハッカソンと共通しています。例えば Movable Type の UI を改修するというのもひとつのアプローチですが、現実味のない回答や、自由になり過ぎて Movable Type とは関係のないものになることもあります。
デザインに制約をつくるのが難しい
Movable Type にも Data API にも Chrome の拡張機能にも『仕様』という分かりやすい制約があります。そしてその制約の中で作るからこそ、動くものを生み出すことができます。ただデザインしてくださいでは明確な制約が作り難いです。
デザインのオープン化が難しい
ペアコーディングのようなデザインを共同作業するのが難しいです(アイデアを出すときは別ですが)。スタイルガイドのように開発者にも共有できるデザインアセットを通して、デザインをオープンにすることはできる場合がありますが、孤独な作業になりがちです。

デザインにハッカソン的な要素を取り込む

ハッカソンの要素をデザイナーにも分かりやすいかたちで導入するにはどうしたら良いでしょうか。幾つか可能性が考えられます。

詳細なお題をつくる
問題解決のためのデザインを考えたい人には、道具をつかっていろいろ遊んでみてくださいというアプローチは向いていません。Movable Type が抱えている幾つかの課題の中から、ひとつをピックアップしてデザインしてみる … というくらい焦点を絞ったほうが動きやすそうです。
チームでつくる
これはハッカソンの形式のひとつですが、デザイナーと開発者がひとつのチームで進めるというやり方。リーダーシップや連携作業など別の課題も挙りそうですが、自分がつくったデザインがその場で動く光景を見る感動は得られるはずです。
議論できる場をつくる
作る行程や作ったものを見せ合う楽しさがハッカソンの魅力ですが、出しものに対して議論したり、さらに良いものへと発展させる機会がないことがあります。ファシリテーションができる人が必要になりますが、たとえアイデアやスケッチだけでも現実味のあるものへ昇華するために議論の場は欠かせないでしょう。

上記のようなアイデアだけでなく、デザイナーが参加しやすくなるようなアプローチは他にもあるはずです。また、すでにどこかでやっている素晴らしい方法もあるでしょう。今後開催されるハッカソンや勉強会も工夫できたらと考えています。

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