既存の Movable Type サイトを Movable Type AMI版に移行する
現在ご利用中のサーバーから、Movable Type AMI版へ移行する方法について説明します。
ここでは、レンタルサーバー上の Movable Type を Movable Type AMI版へ移行する。というシナリオで説明をおこないます。
※ PSGI、Movable Type6 に対応していない一部のプラグインは、Movable Type AMI版上で動作しない可能性があります。詳しくは、プラグイン作者・ベンダーにお問い合わせください。
データベースのバックアップを作成する
ご利用中のサーバーによって、データベースのダンプを取得する方法は異なりますが、大きく分けて3つの方法があります。
- ホスティングサーバー事業者の提供するツールを利用する
- phpMyAdmin を利用する
- コマンドラインを利用する
具体的な手順については、以下のドキュメントをご参照ください。MySQL 以外のデータベースをご利用中の場合は、各データベースベンダーの提供するマニュアルをご参照ください。
既存のデータをバックアップする
Movable Type で作成された HTML 等のファイルや、アップロードした画像ファイルなどをバックアップします。telnet や ssh でサーバーにログイン出来る場合は、zip コマンドや、tar コマンドでファイルを圧縮してからダウンロードすることを推奨します。
バックアップする対象は、以下のファイル群になります。
- 公開されているサイトのファイル一式
- mt-static/support ディレクトリ(通常は、/MT_HOME/mt-static/support)
- 自身で導入したプラグイン一式
- プラグイン プログラム(通常は、/MT_HOME/plugins/ の下)
- プラグイン スタティックファイル(通常は、/MT_HOME/mt-static/plugins の下)
- 自身で導入したテーマ、或いはエクスポートしたテーマ一式(通常は、/MT_HOME/themes/ の下)
- mt-config.cgi に追記または、変更した内容
Movable Type AMI版のインスタンスを作成する
Amazon Web Services 上に、Movable Type AMI版のインスタンスを作成します。インスタンスの作成は、『Movable Type AMI版スタートガイド』をご参照ください。
バックアップしたファイルをアップロードする
ご利用中のサーバーから取得したデータベースと公開ファイルなどのバックアップファイルを、起動した Movable Type AMI版のインスタンス上にアップロードします。SFTP、SCPに対応したクライアント アプリケーション或いは、scp コマンドでアップロードを行います。
以下のコマンドは、scp コマンドを利用した一例です。
$ scp -i ~/.ssh/your-key-pair.pem your-backup-file.zip ec2-user@ip-address-of-your-instance
データベースを復元する
起動したインスタンス上の mysql にダンプデータを復元します。
- ssh で EC2 インスタンスにログインする
$ ssh -i ~/.ssh/your-key-pair.pem ec2-user@ip-address-of-your-instance
- ダンプファイルを解凍する(zipファイルの場合)
$ unzip your-dump-file.zip
- ダンプデータをインポートする
$ mysql -u root movabletype < your-dump-file.sql
バックアップしたファイルを復元する
アップロードしたファイルを解凍し、適切な場所にコピーまたは、移動します。ファイルの配置先ディレクトリは以下のとおりです。
- 公開されていたサイトのファイル群
- /data/file/static
- mt-static/support ディレクトリのファイル群
- /app/movabletype/mt-static/support
- プラグイン(プログラム)
- /app/movabletype/plugins
- プラグイン(スタティックファイル)
- /app/movabletype/mt-static/plugins
- テーマ
- /app/movabletype/themes
また、mt-config.cgi に環境変数を追加したり、既存の環境変数の値を変更する場合は、以下のファイルを編集します。
- mt-config.cgi
- /app/movabletype/mt-config.cgi
Movable Type サービスを再起動する
データベースおよび、バックアップファイルを復元したのち、Movable Type サービスを再起動します。
Movable Type AMI版では、Movable Type アプリケーションは、starman(PSGI サーバー)経由で起動しています。PSGI サーバーで起動されたアプリケーションは、一度起動すると、メモリー上に起動し続けるので、復元されたデータベースや、変更された mt-config.cgi の内容を読み込むために、再起動をおこなう必要があります。
$ sudo service movabletype restart
Stopping movabletype: [ OK ]
Starting movabletype: [ OK ]
コマンド実行後に、上記のような内容が表示されれば再起動は完了です。
Movable Type をアップグレードする
Movable Type 4, 5 など、古いバージョンから移行した場合は、Movable Type の管理画面にアクセスすると アップグレードが実行されます。
アップグレード中に問題が発生した場合に、前の環境に戻れるようにするために、この段階で EC2 インスタンスのスナップショットを作成することをおすすめします。スナップショットの作成手順は、以下のページをご参照ください。
Movable Type のアップグレード手順は以下のとおりです。
- Movable Type の管理画面にアクセスする
http://ip-address-of-your-instance/mt/admin
- [アップグレード開始]ボタンをクリックし、サインイン画面が表示されたら、システム管理者権限のあるユーザーでサインインする
- アップグレード処理が実行され、終わったら [Movable Type に戻る]をクリックして Movable Type の管理画面に移動する
Movable Type 3 および 4 から Movable Type 6 にアップグレードを行った場合は、ブログはすべて自動的にウェブサイトに変換され作成されます。
Movable Type 5.13、5.07、4.38 より前のバージョンからアップグレードした場合には、次に以下の作業をおこなってください。
アップグレード直後は、一部のデータが Data API で取得可能になっています。取得されると困る情報は、DisableResourceField 環境変数で制限しておいた方がよいでしょう。
ウェブサイト・ブログを再構築する
以前利用していた Movable Type のユーザー情報で、Movable Type にサインインすることができます。サインインができたら、各ウェブサイト・ブログを再構築することをおすすめします。これは、Movable Type のデータベース内に記述されているパス情報を更新する必要が有るためです。
以上で、既存の Movable Type を移行することができます。ご利用中のサーバーや、環境によっては、利用するコマンドやツールが異なることが有ります。適宜読み替えてご利用ください。